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『ら』行の映画。

■リアル・ブロンド  ■理想の結婚    ■レッド・ドラゴン   ■ロード・トゥ・パーディション   

■ロック、ストック、&トゥー・スモーキング・バレルズ    ■ロンドン・ドッグス

リアル・ブロンド(The Real Blonde) [2000.米] ☆☆☆

監督:トム・ディチロ

STORY:売れない俳優、ジョーは35歳。レストランでボーイの仕事をしながら、オーディションを繰り返している悶々とした日々。ジョーと同棲中の恋人で、メイクの仕事をしているメアリーは潔癖なとこがあって下卑た男が大嫌い。ジョーの俳優仲間で、金髪フェチのボブは昼メロドラマが決まって浮かれ、主演の「本物のブロンド」の女優をオトしたがってる。ボブに恋するモデルのサハラは実は金髪じゃない・・・どーにも日々が上手くいかない。いかにして恋人たちは困難を乗り越えていけるのか?

CAST:マシュー・モディン、キャサリン・キーナー、エリザベス・バークレー、ブリジット・ウィルソン、マックスウェル・コールフィールド、ダリル・ハンナ、キャスリーン・ターナー

ドラマ「SEX AND THE CITY」が圧倒的に支持されたのは、恋愛の後ろに横たわる「リアル」の大きさを、お洒落な皮肉で笑わせることで浮かび上がらせていたから、だと思う。「何であんな男が?」「おいおい、ルックスは妥協するなよせめて」「わ、笑えない・・・同じ経験あったかも」「SEXは男と女のバトルかよ?」ってこっちが突っ込みたくなるシーンの連発。確かに全てのカップルが本当に互いを好きになったときだけつきあってるはずがないわな。表ではそう言ってても、妥協と冒険と打算と偶然が入り混じってて結構格好悪いのが現実。そんなスタンスが新しくて、リアルだったからなんじゃないだろうか。
ってなわけで「リアル・ブロンド」はそんな「SATC」が好きな人なら楽しめそうなラブコメ。「愛」だけではなく「生活も含めて恋愛なんです」「将来に不安があるから側にいる関係の男女のほうがずっと多いんです」という事実をさらに「2流なショービズ界のオトナたち」というインチキくさい世界で扱ったのがこの作品。ストーリーさばきにもたつく部分も多々あるけれど(特にメアリーの護身術とボブの昼メロのパート、もっと刈り込んだほうが可笑しかったはず・・・。全体的にもう少し尺も短くていい。ラブコメはテンポが命なんだから!)それでも脚本が上手く出来ていて、ラスト(これは粋なオチの付け方)も嘘っぽくなくていい感じ。
俳優たちが上手いんだな、また。キャサリン・キーナーってすごくイイ女優だ。「シンプル」という言葉が似合う感じ。眼鏡がカワイイ。とりたてて美人ではないし(失礼)色気もあまりないんだけど(失礼)、知的で信頼できるオトナの女性の顔。マシュー・モディン、売れない35歳俳優志望が似合い過ぎてて失笑。一時期は最高に白シャツの似合う男として評価受けてたはずなんだけど、今じゃ安い・・・はまりすぎだ・・・。さらに安さが洒落にならない下着モデル役ブリジット・ウィルソン(でも好演)、金髪巨大美女ダリル・ハンナ(B級エロ感たっぷり!蛇っぽくていい)とキャストの微妙な感じが絶妙なリアルを醸し出してる。友情出演的な登場のブシェーミがほほえましい。

モデルの美しい金髪が実際は綺麗にカラーリングされているように、リアルは決して美しくはない。毎日走り回って仕事してる「独身キャリアウーマン」のおっしゃれーでかっこいー生活の後ろには、トイレットペーパーを休日の安売りを狙って買い出したり、寝過ごした朝散らかりきった部屋に戻ってきたときの疲労感倍増、なんて景色があるわけで。でも、それを必死で私たちは隠して生きてる。ジョーが「ピアノ・レッスン」話をリアルに持ち込むのが可笑しくもせつないのは、隠されたリアルの格好悪さに、とりもなおさず向かい風の多い世間のなかでクールにカッコつけてるけど実は必死に立ってる、っていうインチキな私の姿そのものを思い出すだからなんだろうなあ。
所詮、カッコイイ部分だけで生きていけるわけないじゃん、普通の人間なんだから・・・そこに視線の優しさも感じさせつつ、どことなく突き放すようなスタンスに自分を省みさせられ、苦笑させられてしまう・・・そんな映画でした。(2003.11.6)
 
理想の結婚 (An Ideal Husband) [1999.英]  ☆☆(+☆、単にキャストに。)

監督:オリヴァー・パーカー

STORY:アーサー・ゴーリング卿は30半ばだが、自由気ままに遊び暮らしているまさに独身貴族。彼の親友は将来を嘱望されている若手政治家ロバート・チルターン。妻のガートルード・チルターンも幼なじみで、彼らは自他共に認める幸せなカップルだ。ところがそんな彼らのもとに、ロバートが若い頃に犯した過ちの証拠を持って、悪名高いチーヴリー夫人がやってきた。ロバートを脅迫するチーヴリー夫人の登場に驚いたのはアーサーも同じだった。じつはふたりは、かつて短い間だけ婚約していたのだ!

CAST:ルパート・エヴェレット、ジェレミー・ノーザム、ケイト・ブランシェット、ジュリアン・ムーア、ミニー・ドライヴァー

オスカー・ワイルドの大人向け喜劇をシンプルに演出してある。もう少し遊びがあって欲しかったな。楽しい作品ではあるんだけど、いかに言ってもこちらが想像をひろげる余地が少なすぎるのだ。とはいえもっと捻って欲しくても、ここまでメジャーな原作がある以上なんともいえないし・・・そう、この作品、あんまり文句の言えないのが難。とにかく手堅いつくりなのだ。キャストも大好き。だからって好きな作品かというと、そうでもないのよねー。映画とは深いなり。

とはいえ、キャストが見事で安心して見られるのはやはりよい点。アーサー役のルパート・エヴェレットはもはや完全に自虐ネタ的ナルシズムの世界。顔と体の細長さ(なで肩!)がすごいことになってるし、そのキャラで実はいいヤツってのもはまる。(にしても、ここんとこなんだか嬉々として自己パロディやってないっすか、彼。)ジュリアン・ムーアは赤毛がなんだかすごくヤな女に見せてて意地悪演技、はまってます。(でももっとねっとりしてもいいかな。何せルパートが引くような女なんだから。)ケイトはもはや奇跡的な美しさ。声までも高貴!眼鏡の可愛らしさにも驚く。ジェレミー・ノーザムととってもお似合い。優しさと気弱さを折り混ぜてイギリス紳士ぶりを発揮するノーザムもなかなかいい。
さて、ここまでキャストを誉めておいたところで出てきてない人がいます。だーれだ。そうです、ミニーです。彼女、前から苦手だったんですが・・・やっぱり苦手。だってさ、彼女の役ってちょっとひねてるけど気のいい頭の冴えた、ケイトのカワイイ義妹ですよ。おかしいじゃん。明らかに。何がって、顔である。エラである。あの顔でとんちんかんな「お茶目顔」するのである。ガサツな台詞回しも含め、ダメだなあ、もー。 (2003.6.10)
 
レッド・ドラゴン (RED DRAGON)  [2002.米]  ☆☆(+☆、ギリギリだけど、ダニー・エルフマンのスコアに免じて)

監督:ブレット・ラトナー

STORY:プロファイルに優れ、FBIのトップ捜査官だったグレアムは"人食いハンニバル"と呼ばれた殺人鬼、ハンニバル・レクター博士を逮捕したものの、その精神的苦痛からFBIを辞めた過去を持つ。そのグレアムのもとに、かつての上司クロフォードが訪れた。クロフォードは最近起きた連続殺人事件の協力を求める。2つの家族が同じ残忍なやり口で全員殺害された。悩みながらもその異常な犯人像を追うことになったグレアムだが・・・

CAST:アンソニー・ホプキンス、エドワード・ノートン、レイフ・ファインズ、エミリー・ワトソン、メアリー=ルイーズ・パーカー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ハーヴェイ・カイテル 

噂に聞いていたほど悪くはなくてほっとする。人物像がまったく書き込まれてない薄い作品であることに異論の余地はないけれど、さらりと見流せて、無難に捌いた結果、薄いインスタントのコンソメスープのような(まずくはないけど、特別美味い!と思う人はいないでしょ?)典型的な「NOT BAD」な仕上がりになっている。

しかしそうそうたるメンツだなあ。曲者役者揃いなんだけど、微妙にそこまで重要じゃないんだよなー。このメンツじゃなければ持たないかな、というところでしょうか。さすがに安定感アリ。(下手な役者は混じれないでしょ、このメンツじゃ・・・)
なのに、キャラクター造型は明らかに演出不足なのがとても残念。エミリー・ワトソンやフィリップ・シーモア・ホフマンの役なんて、もっともっと上手く使えそうなものだがなあ・・・ハーヴェイ・カイテルなんて、ホントに彼がやる意味全くなしな役なんだよなあ。主人公グレアム捜査官役のノートンはその中では安定しているけれど、彼がやるほどの役かな、という疑問はあり。(ただし、正義側にいるのにどこか「あちら側」の人間の気配を漂わせているのは、やはり彼らしさ。)妻子持ち役は多分初だと思うけど、全然違和感なし。目元と生え際を見る限り、かなり老けてきましたね・・・あ、もちろん好きなのは変わりませんよ・・・ホホホ★
レイフ・ファインズは芝居より何より、板さんカットが似合わないのがどーしても気になった。奇跡的に、似合わない!正面からだとハリソン・フォードにすら見える野暮ったさ。持ち味の冷徹な目と気配はどこへやら・・・どーしちゃったのよ?そして、それより何よりアンソニー・ホプキンスである。彼は「ハンニバル・レクター役のアンソニー・ホプキンス」という役をなぞっていて、全く面白く思えない。彼自身が何よりの犠牲者に思えてブルーになってしまった。

とか何とかぶつくさ言いながら、うーん、結局、キャストのことを書いてたら終わっちゃう。そういう映画、といってしまえばワケないんだけどさ、うーん・・・。なんかすっきりしないなあ。そんなことをいいながらも、嫌いにはなれない。いろんな意味で決定打がないんだよな、この作品・・・。そうそう、ダニー・エルフマンの音楽の数々は相変わらず不気味でワクワクさせてくれる。この不気味なセンスを全体にもっともっと充満させて欲しかったなあ。それができる人たちを使ってるんだからさ!(2003.7.23)
 
ロード・トゥ・パーディション (Road to Perdition)  [2002.米]   ☆☆☆☆☆

監督:サム・メンデス

STORY:1931年冬のイリノイ州ロックアイランド。凍てついた冷たく澄んだその街の黒幕、ルーニーに、実の息子のように長年仕えているマイク・サリヴァン。ルーニーの息子コナーが奇妙な殺人を犯す現場に遭遇。自らも手を下す。しかし、その現場を長男マイケルに見られたことから、恐怖心と猜疑心の塊のようになったコナーに一家を殺されてしまう。奇跡的に難を逃れたマイケルを連れ、マイクは復讐の決意とともにシカゴへと出るのだが・・・

CAST:トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ、ジェニファー・ジェイソン・リー、スタンリー・トゥッチ、ディラン・ベイカー、タイラー・ホークリン、リーアム・エイケン

お見事!さすが!と拍手を送りたくなった。最高の技術、最高の品性を持ったスタッフとキャストの作り上げる、美しくも残酷な父と子の物語に酔いしれた。
『アメリカン・ビューティ』がラプソディならば、これはフル・オーケストラの堂々たる交響詩。とにかく、サム・メンデスはやはり恐るべき力に満ちた監督だと思う。しかし全く異なる2作に見えてある意味「父性に関するファンタジー」というのは共通項かもしれない。失われゆくものへの哀歌、というのだろうか・・・。

子どもの描き方に監督の品性が最も表れている。「子ども」として扱わず、「一人の人格」として扱っている。たとえば家族を殺された家に戻ってきて、食卓にひとり腰掛けている少年は泣いてはいない。困惑とショックを全身で表現しながら、顔自体は無表情なのだ。(普通のアメリカ映画なら、ここで少年が泣き叫んでいるだろう)その表情にその死に責任があるのが自分だ、という少年の痛みをあらわしてみせる演出の見事さ!家から離れ、父から離れた瞬間に泣きじゃくる彼が、だからこそ痛ましい。自分が、そんなことさえしなければ。自分のしてしまったことの大きさに対し、為す術もなく、肩に力を込める姿。マイケル役のタイラー・ホークリンの意思の強そうな眉と不機嫌そうな面構えがいい。
(このあたり、個人的にはサム・メンデスがイギリス人なのも関係しているように思う。イギリス映画では「子ども」が持つプライドと美意識が大人以上に深いものであることを、結構強く見せているものが多い。「フル・モンティ」の父にヤレヤレという顔で付き合う息子や「リトル・ダンサー」で厳格な父の前で必死で踊ってみせる息子。共通項はへの字に結んだ気の強い口元だ)
トム・ハンクスはもはや、「アメリカの父」という表現に全く異論の余地なし。圧倒的な存在感と、無骨ななかに漂うユーモアがいい。目が優しいので、殺し屋に見えるかというとちょっと違うんだけど、それが環境でそうなってしまった者、という痛ましさを増していていい。ポール・ニューマンが微かに漂わせる野卑な高貴さも素晴らしい。実の息子、息子のように育てた男、その息子・・・「父」としての自身に迷いを感じ続ける表情が痛みに満ちている。
・・・って書き連ねていると、本当に痛ましい残酷な話のようにも思えるのだが・・・ちゃんと「救済」があるのが、この監督の上手いところなんだな、ホントに。

しかし、この名優たちを「向こうに回す」のでなく、ただ自身が独自のたたずまいを見せるジュード・ロウって、思ってた以上に「上手い」役者かもしれない。あの驕慢な笑顔を今回は微かにしか出さず、白塗り気味の顔に薄らハゲで死体写真を撮り続ける奇妙な殺し屋役を、押しすぎず引きすぎず、ごくごく自然に演じてみせている。クラシックな衣装が似合うのは予想どおりとはいえ、(でもどーやってもやっぱりなで肩なんですけどね)それ以上に「あの時代」の不吉な気配を全身にたぎらせてみせていて、驚く。(「怪演」なんて声もあったけれど、それは役そのものであって、演技の質はオーソドックスだったと思うなあ)

そして今回の何よりの功労者は名カメラマン、コンラッド・L・ホール。この撮影は文句なしに素晴らしい。光と影の捉え方、雪のキシキシと音をたてるような細かさ、冷たい雨の質感はもちろんのこと、煙草の煙の「くゆり」を捉えた瞬間の時間の止まったような不気味な美しさにはただただ感動。静かな映画を力強く描き出すこのカメラには圧倒されるよりない。遺作となってしまったのがつくづく残念だ。  (2003.7.22)
 
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (Lock, Stock & Two Smoking Barrels) [1998.英]

監督:ガイ・リッチー

STORY:こすっからい犯罪で金を稼ぐ青年たち。ギャンブルで大負けしたエディは何とか金を作らねばやられちまう。ここは一世一代の勝負だ!・・・と動き出してみたものの、奴らの周りには悪徳金貸し集団、強盗に麻薬栽培組織、殺し屋まで出現。ひょんなことから大金強奪バトルが始まってしまい、その上どうもちょっとヘンに絡んで死体が増えていく?!

CAST:ニック・モーラン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ヴィニー・ジョーンズ、スティング

楽しい!とにかく楽しい!!4人の男の子に面構えの楽しい悪徳じいさん、おバカな強盗やヘンな顔のオヤジさんたちと絶妙なストーリーテリング、UKセンス溢れる選曲のかっこよさ。主人公エディの親父役スティングがいい。息子をガツンとぶん殴るシーンの間合い!あと子連れ狼みたいな借金の取立て屋ヴィニー・ジョーンズもイイ。厳つい顔の子ども想い。可愛い。主人公たちひとりひとりがとにかくボンクラぶりが堂に入っていて、惚れ惚れするような気持ちのいい映画だ。

この映画、映画の文法をきっちり守っている。(魅力あるキャストを使うだけで、ストーリーを破綻させて「一作目だから甘くみてよ」なんて甘えが一切ない。インディペンデントの魂をきちんと継承してます)ただし、通常の映画の文法ではない。短文と体言止めと感嘆詞の文法だ。韻文ではなく、ラップなのだ。それでストーリーを紡ぐものだから、面白いに決まっている。
「え?」「マジかよ」「おい」「やばい」「うわあ」「あれ?」「とりあえず・・・」「あ!」「ぎゃあ」
実際こんなセリフがあったかどうかは定かじゃないが、そう、これは小説ではなく漫画(CartoonじゃなくてComicsね)の文法と同じ。「文章」では無理なのだ。「セリフ」じゃないと成立し得ない。これぞ映画の魅力、ってやつなのだ。

それにしてもイギリス映画の基本って「男だけ」の「青春」な気が。あるいは「父と子」ね。で、どうやら私はこのテーマに弱い。(2003、追記。どうやらではなく明らかに弱いです。)ついつい点も甘くなる。「トレスポ」然り、「フル・モンティ」然り、「リトル・ダンサー」然り。暴力、失業、問題は山積みの冴えないやつらの一発逆転。恋愛だのSEXだのを絡ませない乾いた感覚はアメリカ映画にはない魅力。にしてもホント、これは話の組み立てからキャストから笑わせるタイミングからツボです。ってことで評価は思いっきり5つ星!!(2001.8)
 
ロンドン・ドッグス(Love, Honour & Obey) [1999.英]  ☆☆☆

監督:ドミニク・アンシアーノ、レイ・バーディス

STORY:クールなギャングに憧れる郵便配達員ジョニーは、ある日名うてのボス、レイの甥である幼馴染で憧れの人ジュードを通じて、ギャングの仲間に入る。よっしゃ。最高にイカす悪党になってやる。燃えるジョニー。が・・・彼らは凶悪な仕事よりも大のカラオケ好き。ボスは結婚のことばかり考えてる。こんなのやってられねえ・・・!俺がやってやる、皆ほんとはギャングしたいんだろ?俺は男だ、やってやる!本物のギャングにひたすら憧れるジョニーはついに対立するギャング団を煽り、抗争を勃発させてしまったからさあ大変・・・ 

CAST:ジョニー・リー・ミラー、ジュード・ロウ、レイ・ウィンストン、リス・エヴァンス、ドミニク・アンシアーノ、サディ・フロスト

ファーストシーンとラスト・シーンがカラオケ、というすっとぼけ具合が楽しいギャング・クライム・バッドコメディ。作った側がクスクス笑いながらやっているのがよーく分かる。暴力ギャグと下ネタ、ベタなギャグも満載。(このギャグ部分の担当はしっかり監督がやってるのにまた爆笑。)
リス・エヴァンス(ご無沙汰です。ツインタウンの馬鹿あんちゃんとここで会えるとは・・・)以外全員本名、ってとこからして完璧におふざけ。
話は他愛もない。下町のギャングは日常を謳歌している。「ギャング的」な日々なんてまっぴら。が、ギャングに憧れるジョニー君はトラブル起こそうと必死。さあ、どうする?
何より出てくる顔の面白さ!私の場合、イギリス映画は男の顔で+ポイントがどんどんついてしまうのだ。そしてあの訛り!「シー・ユー・ライター」だもの。さらにノエル・ギャラガー(「オアシス」じゃないところが分かってらっしゃる)で締めるんだもの、ずるい。つくりも上手くないし、思いっきり軽い話なんだけど、人とノリで見せきっちゃったのが偉い。
ジュード・ロウがやっぱり面白い!美形なんだけど、髪はすごいことになってるし、首が妙に長くて体が薄いため頭のバランスが悪く、おもちゃの人形のよう。サンダーバードチック。なのになのに、妖気も色気もしっかり。・・・面白い。不思議なチャームの持ち主だ。(2003.5.20)
 

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