ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ (Lock,
Stock & Two Smoking Barrels) [1998.英]
監督:ガイ・リッチー
STORY:こすっからい犯罪で金を稼ぐ青年たち。ギャンブルで大負けしたエディは何とか金を作らねばやられちまう。ここは一世一代の勝負だ!・・・と動き出してみたものの、奴らの周りには悪徳金貸し集団、強盗に麻薬栽培組織、殺し屋まで出現。ひょんなことから大金強奪バトルが始まってしまい、その上どうもちょっとヘンに絡んで死体が増えていく?!
CAST:ニック・モーラン、ジェイソン・ステイサム、ジェイソン・フレミング、デクスター・フレッチャー、ヴィニー・ジョーンズ、スティング
楽しい!とにかく楽しい!!4人の男の子に面構えの楽しい悪徳じいさん、おバカな強盗やヘンな顔のオヤジさんたちと絶妙なストーリーテリング、UKセンス溢れる選曲のかっこよさ。主人公エディの親父役スティングがいい。息子をガツンとぶん殴るシーンの間合い!あと子連れ狼みたいな借金の取立て屋ヴィニー・ジョーンズもイイ。厳つい顔の子ども想い。可愛い。主人公たちひとりひとりがとにかくボンクラぶりが堂に入っていて、惚れ惚れするような気持ちのいい映画だ。
この映画、映画の文法をきっちり守っている。(魅力あるキャストを使うだけで、ストーリーを破綻させて「一作目だから甘くみてよ」なんて甘えが一切ない。インディペンデントの魂をきちんと継承してます)ただし、通常の映画の文法ではない。短文と体言止めと感嘆詞の文法だ。韻文ではなく、ラップなのだ。それでストーリーを紡ぐものだから、面白いに決まっている。
「え?」「マジかよ」「おい」「やばい」「うわあ」「あれ?」「とりあえず・・・」「あ!」「ぎゃあ」
実際こんなセリフがあったかどうかは定かじゃないが、そう、これは小説ではなく漫画(CartoonじゃなくてComicsね)の文法と同じ。「文章」では無理なのだ。「セリフ」じゃないと成立し得ない。これぞ映画の魅力、ってやつなのだ。
それにしてもイギリス映画の基本って「男だけ」の「青春」な気が。あるいは「父と子」ね。で、どうやら私はこのテーマに弱い。(2003、追記。どうやらではなく明らかに弱いです。)ついつい点も甘くなる。「トレスポ」然り、「フル・モンティ」然り、「リトル・ダンサー」然り。暴力、失業、問題は山積みの冴えないやつらの一発逆転。恋愛だのSEXだのを絡ませない乾いた感覚はアメリカ映画にはない魅力。にしてもホント、これは話の組み立てからキャストから笑わせるタイミングからツボです。ってことで評価は思いっきり5つ星!!(2001.8)
|